リフォーム相場ナビ

本ページはプロモーションが含まれています

会社選び・進め方

団地リノベーションの費用と注意点 — 旧耐震・壁式構造・ローンを整理

この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、リフォーム相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。

この記事のポイント

  • 団地は1960〜70年代を中心に建てられたものが多く、同規模のマンションより価格が安い傾向がある一方、旧耐震基準・壁式構造・エレベーターなしなど団地特有の制約もある
  • リノベーション費用の中心価格帯は600万〜900万円(SUUMOリフォームが2019年4月に実施した調査、マンション全般の数値)。団地は断熱・配管などの追加工事で上振れしやすい
  • 1981年(昭和56年)6月1日より前に建築確認を受けた建物は旧耐震基準の対象で、フラット35を使う場合は耐震評価基準への適合が必要になることがある
  • 壁式構造の団地は耐力壁を撤去できないため、マンション(ラーメン構造)ほど自由に間取りを変えられないことがある
団地(マンション)リノベーションの費用相場(中心価格帯)

出典:SUUMOリフォームタイムズ「団地リノベーションの費用相場や注意点を解説」|2019年4月にSUUMOリフォームが実施したリフォーム実施者向け調査の中心価格帯(マンション全般の数値)。団地は断熱材の後付けや配管の劣化対応など追加工事が発生しやすく、この幅を超えることもある

「団地」は中古のマンションに比べて価格が手頃な傾向があり、リノベーションを前提に検討する人が増えています。ただし団地には、旧耐震基準や壁式構造、エレベーターの有無など、一般的な分譲マンションとは違う制約があります。この記事では、団地とマンションの違い、費用感、団地ならではの注意点、進め方を出典つきで整理します。専有部分・共用部分の区別や管理規約の詳しい解説は、姉妹記事のマンションリフォームの基本にまとめているので、あわせて確認してください。

団地とマンションの違い — 構造・築年数・価格

SUUMOの解説記事によると、団地は1960〜1970年代に多く建てられており、高度成長期に多く建てられた5階建ての団地にはほぼエレベーターがなく、10階建て・20階建てなどの高層の団地にはエレベーターがあるとされています。また、分譲の場合も周辺の同規模のマンションと比べて価格は比較的安いと紹介されています(出典: SUUMO「マンションと団地の違いとは?」)。

構造面では、同記事によると、古い団地は壁そのもので建物を支える「壁式構造」のケースが多いとされています。SUUMOリフォームタイムズの記事でも、壁式構造では室内にあるコンクリートの壁(耐力壁)で建物を支えるため、耐力壁は撤去できないと説明されています。これが、団地のリノベーションで間取り変更の自由度が下がりやすい理由です。

まとめると、団地は「価格が手頃な分、築年数が古く、構造・設備面での制約が大きい」傾向にある選択肢だといえます。

団地リノベーションの費用感

SUUMOリフォームタイムズの記事では、2019年4月にSUUMOリフォームが実施したリフォーム実施者向け調査をもとに、マンション全般のリノベーション費用の中心価格帯を600万〜900万円と紹介しています(出典: SUUMOリフォームタイムズ「団地リノベーションの費用相場や注意点を解説」)。これはマンション全般の数値であり、団地に固有の集計ではない点に注意してください。

同記事では、団地特有の追加費用として、断熱材が施工されていない住戸への断熱工事(目安として最低4,000円/m2から)や、経年劣化した給排水管・ガス管への対応を挙げています。断熱・配管まわりは築年数が古い団地ほど手を入れる必要が出やすく、当初の想定より費用がかさむ要因になります。

なお、より新しいデータでの面積別・グレード別のマンションフルリノベーション費用(60〜80m2程度でスタンダード仕様600万〜800万円、ハイグレード仕様800万〜2,000万円)は、マンションリフォームの基本の記事にまとめています。団地でも間取り変更の範囲や設備グレードによって同程度まで費用が膨らむことがあるため、あわせて参考にしてください。いずれの数値も目安であり、実際の金額は現地調査を伴う見積もりで確認する必要があります。

団地ならではの注意点

旧耐震基準の可能性

国土交通省(みんな安心住まいサポートセンター)によると、1981年(昭和56年)6月1日から施行された基準が「新耐震基準」で、それより前の基準は「旧耐震基準」と呼ばれています。フラット35(住宅金融支援機構)の技術基準でも、建築確認日が昭和56年6月1日以後であることが要件のひとつとされ、それより前の建築確認の物件は「耐震評価基準」などへの適合が必要とされています(出典: フラット35「技術基準」)。

団地は1960〜70年代に多く建てられているため、旧耐震基準に該当する物件が少なくありません。旧耐震基準だからといって直ちに危険というわけではありませんが、購入・リノベーションを検討する際は、建築確認日を管理組合や自治体で確認し、必要に応じて耐震診断の実施状況もあわせて確認しておくと安心です。

壁式構造だと間取り変更に制約が出やすい

前述のとおり、団地の多くは壁式構造で建てられており、建物を支える耐力壁を撤去することはできません。SUUMOリフォームタイムズの記事でも、団地では「直天井(じかてんじょう)」「直床(じかゆか)」と呼ばれる構造で天井や床の高さを変えにくいこと、ベランダ・玄関ドア・窓ガラス・サッシが共用部分にあたること、排水の縦管は住戸の専有部分を通っていても共用部分にあたることが挙げられています(出典: 同上)。「フルリノベーションでスケルトンから大胆に間取りを変える」といったプランは、団地では実現できない場合がある点を、検討の早い段階で押さえておく必要があります。

エレベーターなし物件がある

SUUMOの解説によると、高度成長期に多く建てられた5階建ての団地にはほぼエレベーターがありません(出典: SUUMO「マンションと団地の違いとは?」)。上層階の住戸は価格が手頃になりやすい一方、荷物の搬入や将来の生活動線(高齢期の上り下りなど)を踏まえて検討する必要があります。

住宅ローン・リフォームローンの通りやすさ

前述のとおり、旧耐震基準に該当する物件は、フラット35を利用する場合に耐震評価基準への適合が求められます(出典: フラット35「技術基準」)。取り扱いは金融機関によって異なり、一律に「組みにくい」と言い切れるものではありませんが、築年数が古い団地を検討する際は、資金計画の早い段階で複数の金融機関やリフォームローンの窓口に相談し、利用できる商品・条件を確認しておくことをおすすめします。

管理組合・管理規約の承認

団地も分譲マンションと同様、専有部分と共用部分に分かれており、窓や玄関ドアの外側などは一般に共用部分として扱われるため、個人の判断だけで交換することはできません。専有部分と共用部分の区別、管理組合への申請・承認の考え方は、マンションリフォームの基本の記事で詳しく解説しているので、そちらを参照してください。

団地リノベーションが向いている人・向いていない人

ここまでの内容を踏まえると、次のように整理できます。

  • 向いている人: 物件価格を抑えて浮いた予算をリノベーション費用に回したい人、水回りや内装を中心とした改修で十分な人、上層階でもエレベーターなしの生活を許容できる人
  • 向いていない人: 大胆な間取り変更(壁を抜いた大空間LDKなど)を最優先したい人、住宅ローン控除や融資の条件を厳密に固めてから物件を探したい人、エレベーターが必須条件の人

「価格の安さ」と「構造・設備面の制約」はトレードオフの関係にあります。どちらを優先するかを最初に整理しておくと、物件選びの軸がぶれにくくなります。

進め方 — 物件選び→現地調査→見積もり比較

  1. 物件を絞り込む: 築年数(旧耐震・新耐震のどちらに該当するか)、構造(壁式・ラーメン)、エレベーターの有無を早い段階で確認する
  2. 現地調査を依頼する: リフォーム会社やインスペクション事業者に依頼し、耐力壁の位置、配管の経路、断熱の状態を確認する。ここで「実現できる間取り」の範囲がはっきりする
  3. 資金計画を固める: 物件価格+工事費の総額で予算を組み、旧耐震基準に該当する場合は利用できるローンの条件を金融機関に確認する
  4. 複数社から見積もりを取る: 構造上の制約(壁式構造で撤去できない壁、共用部分の範囲)を各社に共有したうえで見積もりを比較する

管理規約の確認や管理組合への申請が必要になる工事もあるため、着工スケジュールを決める前に、管理規約の確認から着手するのが確実です。この点もマンションリフォームの基本で解説しています。

まとめ

  • 団地は1960〜70年代に多く建てられ、同規模のマンションより価格が安い傾向がある一方、旧耐震基準・壁式構造・エレベーターなしなど団地特有の制約がある
  • リノベーション費用の中心価格帯は600万〜900万円(SUUMOリフォームの2019年4月調査、マンション全般の数値)。断熱・配管の追加工事で上振れしやすい
  • 1981年6月1日より前に建築確認を受けた物件は旧耐震基準の対象で、フラット35では耐震評価基準への適合が必要になることがある
  • 壁式構造の耐力壁は撤去できないため、間取り変更の自由度はマンション(ラーメン構造)より下がりやすい

費用の目安をもう少し具体的に知りたい方は、工事種別の費用相場一覧相場計算機もあわせてご利用ください。専有部分・共用部分や管理規約の詳しい考え方は、マンションリフォームの基本にまとめています。

東京のリフォームを無料相談

東京都内のリフォーム・フルリノベーションについて、当サイトの提携先(東京のリフォーム会社)に無料で相談できます。検討を始めたばかりの段階でも歓迎です。

[PR] 案内先は当サイトの提携先です(成約状況に応じて紹介料を受け取る場合があります)。 相談は無料で、契約を義務付けるものではありません。

よくある質問

団地は旧耐震基準に当てはまりますか?

1981年(昭和56年)6月1日より前に建築確認を受けた建物は旧耐震基準の対象とされています。団地は1960〜70年代に多く建てられているため、旧耐震基準に該当する物件が少なくありません。正確な建築確認日は、購入予定の物件の管理組合や自治体の建築計画概要書などで確認できます。

団地のリノベーションで間取りは自由に変えられますか?

団地は「壁式構造」で建てられていることが多く、建物を支える耐力壁は撤去できません。マンションに多い「ラーメン構造」に比べて間取り変更の自由度は下がる傾向があります。希望する間取りが実現できるかは、現地調査を伴う個別の確認が必要です。

団地の購入・リノベーションで住宅ローンは組みにくいですか?

一律に組みにくいとは言えませんが、フラット35を利用する場合、建築確認日が1981年6月1日より前の物件は耐震評価基準への適合が求められます。取り扱いは金融機関によって異なるため、旧耐震基準に該当する可能性がある物件を検討する際は、早い段階で複数の金融機関に相談することをおすすめします。

出典

あわせて読みたい

費用の目安を確かめる

工事種別・広さ・グレードから費用相場の目安を確認できます(出典を確認できた金額から順次掲載しています)。

リフォーム相場計算機へ

最終更新日: