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マンションリフォームの基本 — できること・できないこと、費用相場、進め方
この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、リフォーム相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- マンションは「専有部分」と「共用部分」に分かれ、窓枠・窓ガラス・玄関ドア(錠と内部塗装を除く)・バルコニーは一般に共用部分とされ、区分所有者の判断だけで自由に交換することはできない
- 専有部分のリフォームでも、共用部分や他の専有部分に影響するおそれのある工事は、あらかじめ理事長へ申請し書面による承認を受けることが一般的な管理規約の定め方とされている
- フルリノベーション(60〜80㎡程度)の費用相場はスタンダード仕様で600〜800万円、ハイグレード仕様で800〜2,000万円
- 住宅タイプ別の実施者費用はマンション平均316.9万円(全体平均405.4万円・中央値210万円)というデータもあり、部分改修だけならもっと小さい規模で収まるケースも多い
出典:SUUMOリフォーム費用・価格相場情報|リフォーム面積60〜80㎡程度を想定した費用相場帯
マンションのリフォームは、戸建てと違って「自分の持ち物だからといって、すべて自由に工事できるわけではない」という点が最大の特徴です。窓や玄関ドア、バルコニーなど、一見すると専有部分のように思える場所も、実は共用部分として扱われることがあります。また、専有部分の中の工事であっても、共用部分や他の住戸に影響する内容であれば、管理組合への申請・承認が必要になる場合があります。
「水回りだけ交換したい」「間取りを変えるフルリノベーションをしたい」など目的はさまざまでも、検討の入口で押さえておくべきポイントは共通しています。この記事では、専有部分と共用部分の区別、管理規約との関係、費用相場のデータ、検討を進める際のポイントを、出典つきで整理します。
専有部分と共用部分 — できること・できないこと
マンションの部屋は、区分所有者が単独で所有する「専有部分」と、他の区分所有者と共有する「共用部分」に分かれています。国が示す標準管理規約(単棟型・令和7年改正)では、次のように整理されています(出典: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」)。
- 天井・床・壁: 躯体部分を除いた部分が専有部分
- 玄関扉: 錠および内部塗装部分のみが専有部分(扉本体は共用部分)
- 窓枠・窓ガラス: 専有部分に含まれない(共用部分側の扱い)
- バルコニー: 専有部分に属さない「建物の部分」として共用部分に整理されつつ、区分所有者に専用使用権が認められる
つまり、キッチンや浴室、内装の交換といった専有部分の中で完結するリフォームは比較的進めやすい一方、窓・玄関ドア・バルコニーの交換や改修は、個人の判断だけでは行えないのが一般的な考え方です。内窓の追加やドアのカバー工法など、専有部分側からの改修で対応するケースが多いのはこのためです。
ただし、これはあくまで国が示す「標準」の規約であり、実際の範囲・扱いは管理規約ごとに定められます。最終的には、お住まいのマンションの管理規約(別表)で範囲を確認することが欠かせません。
管理規約と工事の届出
専有部分の中のリフォームであっても、共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれのある工事は、事前の手続きが必要になる場合があります。標準管理規約(単棟型)では、次のように定められています(出典: 同上)。
区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)であって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。
なお、標準管理規約には電磁的方法による承認を認める場合の規定例もあり、申請・承認の具体的な方法はマンションごとの規約で定められます。
床材の変更(遮音等級に関わる)、配管・配線の移設、間取りを変える壁の撤去などは、この「共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれのある工事」に該当しやすい項目です。着工前に管理組合(理事長)への申請と承認が必要になるケースがある、という前提で計画を立てることが大切です。
これは標準管理規約の内容であり、実際の届出フロー・必要書類・審査期間はマンションごとに異なります。工事を検討し始めた段階で、まずはお手元の管理規約を確認し、不明な点は管理組合または管理会社に相談することをおすすめします。
費用相場(データ)
マンションリフォームの費用は、工事範囲によって大きく変わります。
- マンションフルリノベーション(60〜80㎡程度・スタンダード仕様): 600〜800万円(出典: SUUMOリフォーム費用・価格相場情報)
- 同(ハイグレード仕様): 800〜2,000万円(出典: 同上)
- 水回りセット(キッチン・浴室・トイレ・洗面台の4点、標準グレード): 200〜240万円(出典: SUUMOリフォームタイムズ)
住宅タイプ別のリフォーム実施者の費用データもあります。住宅リフォーム推進協議会の2025年度実態調査(実施者n=1,175)によると、リフォーム実施者の費用は全体平均405.4万円・中央値210万円で、住宅タイプ別ではマンションが平均316.9万円、一戸建てが平均470.1万円でした(出典: 住宅リフォーム推進協議会「2025年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査」)。全体平均より中央値が小さいのは、大型のフルリノベーション案件が平均を押し上げているためで、水回り中心の部分改修であれば、この金額よりも小さい規模で収まるケースが多いといえます。
いずれの数値も目安であり、実際の金額はマンションの構造(築年数・配管の状態など)や工事範囲によって変わります。特にフルリノベーションでは、間取りを大きく変えるかどうか、設備のグレードをどこまで上げるかで総額が大きく変動するため、上記の「スタンダード」「ハイグレード」の幅もそのまま自分の住まいに当てはまるとは限りません。正確な金額は現地調査を伴う見積もりで確認してください。
進め方・判断ポイント
マンションリフォームを検討するときは、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 管理規約を確認する: 専有部分・共用部分の範囲(別表)と、工事の届出ルール(申請先・必要書類)を先に把握しておく
- やりたいことを整理する: 水回りの交換だけか、間取りまで変えるフルリノベーションかで、費用も届出の手間も大きく変わる
- 管理組合・管理会社に相談する: 届出が必要な工事かどうか、過去の承認事例があるかを事前に確認しておくと、着工後のトラブルを避けやすい
- 複数社から見積もりを取る: 管理規約上の制約(床の遮音等級、使用できる工法など)を伝えたうえで、複数社に見積もりを依頼し比較する
管理規約の確認や理事長への申請は着工前に済ませておく必要があるため、工事のスケジュールを決める前に、まず管理規約の確認から着手するのが遠回りに見えて確実な進め方です。特にフルリノベーションのように工事範囲が広い場合は、申請から承認までに一定の期間がかかることもあるため、引っ越しや入居のスケジュールとあわせて余裕を持った計画を立てることをおすすめします。
また、複数社に見積もりを依頼する際は、管理規約で確認した制約(使用できる床材の遮音等級、共用部分に手を加えられないことなど)を各社に共有しておくと、後から「その工法は規約上使えない」といった手戻りを避けやすくなります。
まとめ
- 窓枠・窓ガラス・玄関ドア(扉本体)・バルコニーは一般に共用部分として扱われ、個人の判断だけでは交換できない(出典: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」)
- 共用部分や他の専有部分に影響するおそれのある工事は、あらかじめ理事長への申請・書面承認が必要とされているのが標準的な規約の考え方
- フルリノベーション(60〜80㎡)の費用相場はスタンダード600〜800万円、ハイグレード800〜2,000万円、水回りセットは200〜240万円が目安
- 実際の範囲・手続きはマンションごとの管理規約で異なるため、着工前に管理組合・管理会社への確認を必ず行う
費用の目安をもう少し具体的に知りたい方は、マンションフルリノベーションの費用相場や相場計算機もあわせてご利用ください。
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よくある質問
専有部分と共用部分の違いがよくわかりません。どう見分ければいいですか?
国が示す標準管理規約(単棟型)では、天井・床・壁は躯体部分を除いた部分が専有部分、玄関扉は錠と内部塗装部分のみが専有部分、窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれないとされています(出典参照)。ただし実際の範囲は管理規約ごとに定められるため、最終的にはお住まいのマンションの管理規約(別表)で確認するのが確実です。
マンションリフォームで工事前に必ず届出が必要ですか?
国が示す標準管理規約(単棟型)では、共用部分や他の専有部分に影響を与えるおそれのある修繕等は、あらかじめ理事長への申請と書面(または電磁的方法)による承認が必要とされています。実際の手続き方法は管理組合ごとに異なるため、工事を計画する段階で管理規約を確認し、管理組合または管理会社に相談することをおすすめします。
マンションのフルリノベーション費用はどれくらいかかりますか?
SUUMOの費用相場情報では、60〜80㎡程度のマンションリノベーションはスタンダード仕様で600〜800万円、ハイグレード仕様で800〜2,000万円とされています。水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面台)だけをまとめて交換する場合は200〜240万円程度が目安です(出典参照)。実際の金額は現地調査を伴う見積もりで確認してください。
窓や玄関ドアは交換できますか?
標準管理規約では窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれず、玄関扉も錠と内部塗装部分以外は専有部分に含まれないとされています。個人の判断だけで交換することは想定されておらず、内窓の追加やドアのカバー工法による改修など、管理組合の承認を前提とした工事方法が一般的です。まずは管理規約と管理組合への確認から始めることをおすすめします。
管理規約はどこで確認できますか?
多くの場合、購入時に配布された管理規約の冊子や、管理会社・管理組合が保管している原本で確認できます。手元にない場合は管理会社や管理組合(理事会)に問い合わせると、閲覧・写しの交付に対応してもらえるのが一般的です。
出典
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