会社選び・進め方
リフォーム瑕疵保険とは?施主が確認すべきポイントをわかりやすく解説
この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、リフォーム相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- リフォーム瑕疵保険は「検査」と「保証」がセットになった保険制度で、加入するのは施主ではなくリフォーム工事を行う事業者
- 保険期間中に工事の欠陥(瑕疵)が見つかった場合、通常は事業者に保険金が支払われ無償で補修してもらえる。事業者が倒産した場合は施主が保険法人に直接保険金を請求できる
- 加入は法律上の義務ではなく事業者の任意。ただし国土交通省登録のリフォーム事業者団体に所属する事業者は、一定金額以上の工事で原則加入する運用になっている
- 施主が確認すべきは「見積もり段階で保険加入の意思を伝えているか」「事業者が保険法人の登録事業者か」「着工前に申込・検査が間に合うか」の3点
- 保険金額は工事の請負金額等に応じて100万円〜2,000万円の範囲で設定され、免責金額は10万円
出典:国土交通省「リフォーム瑕疵保険」(住宅瑕疵担保履行法および住まいの安心総合支援サイト)|保険金額は工事の請負金額等によって保険法人が設定する契約上の上限。免責金額は保険金請求時に自己負担となる金額の目安。実際の設定は依頼する保険法人・商品により異なるため、詳細は各保険法人にご確認ください(2026-08-16確認)。
フルリノベーションなど金額の大きい工事を検討していると、見積もりの打ち合わせや会社選びの場面で「リフォーム瑕疵保険」という言葉を目にすることがあります。ただし、この保険に加入するのはリフォーム会社などの事業者であり、施主が直接加入する保険ではありません。
この記事では施主の立場から、リフォーム瑕疵保険とは何か、何が保証されるのか、施主として何を確認すればよいかを、国土交通省・住宅瑕疵担保責任保険協会・住宅リフォーム紛争処理支援センターの公式情報にもとづいて整理します。制度の内容は2026年8月16日時点の各公式サイトの記載によるもので、個別の契約条件は依頼予定の事業者や保険法人に直接ご確認ください。
リフォーム瑕疵保険とは — 「検査」と「保証」がセットの保険制度
住宅瑕疵担保責任保険協会は、リフォーム保険について「発注者が安心してリフォーム工事を行えるよう『検査』と『保証』がセットになった保険」と説明しています。建築士資格を持つ保険法人の検査員が工事内容を検査し、合格しなければ保険に加入できません。保険期間中に工事の瑕疵が見つかった場合は、修補費用等に対して保険金が支払われる仕組みです。
この保険は、住宅瑕疵担保履行法という法律の第19条2号にもとづく制度で、住宅リフォーム・紛争処理支援センターは新築住宅を対象とする「1号保険(住宅瑕疵担保責任保険)」と対比して「2号保険」と位置づけています。新築住宅の1号保険は法律で加入が義務付けられた資力確保措置ですが、リフォーム工事を対象とする2号保険(リフォーム瑕疵保険)は位置づけが異なります(義務か任意かは後述します)。
保険を引き受けるのは、国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」で、現在、住宅あんしん保証・住宅保証機構・日本住宅保証検査機構・ハウスジーメン・ハウスプラス住宅保証の5法人が指定されています。事業者はこの中から保険法人を選んで契約します。どの事業者に依頼するかを検討する段階では、リフォーム会社の選び方もあわせて確認しておくと判断材料が増えます。
加入するのは施主ではなく事業者 — 施主にできるのは「加入を依頼する」こと
リフォーム瑕疵保険は、施主(発注者)ではなく、工事を請け負うリフォーム事業者が加入する保険です。保険協会のQ&Aでも「リフォーム工事を行う事業者が申し込みます。保険の申し込み前に住宅瑕疵担保責任保険法人での『事業者登録』が必要です」と説明されており、施主が保険法人に直接申し込むことはできません。事業者から加入を断られた場合も、施主が代わりに申し込むことはできない、と案内されています。
つまり施主にできるのは、見積もりや契約の打ち合わせの段階で「この保険に加入してほしい」と事業者に依頼することです。国土交通省のサイトでは、保険に加入する事業者は保険法人へ事業者登録することが必要で、登録された事業者は保険利用件数などの情報とあわせて公開される、と説明されています。依頼を検討している事業者が登録事業者かどうかは、住宅瑕疵担保責任保険協会の登録事業者検索サイトで調べることができます。複数社に相見積もりを取る際に、保険加入の可否もあわせて確認しておくと比較しやすくなります。相見積もりの具体的な進め方はリフォームの相見積もりの取り方で解説しています。
施主にとってのメリット — 第三者検査と、万一のときの保護
施主の立場から見た主なメリットは2つです。
1つめは、第三者検査が入ることです。国土交通省のサイトでは、リフォーム瑕疵保険では工事中や工事完了後に「第三者検査員(建築士)による現場検査」が行われ、これにより質の高い施工が確保されるとされています。施主自身が施工品質をすべて見極めるのは難しいため、専門資格を持つ第三者が検査するプロセスが入ることは、依頼する側にとって安心材料になります。
2つめは、事業者が倒産した場合の保護です。通常、工事に欠陥が見つかった場合は事業者に保険金が支払われ、無償で補修してもらう流れになります。しかし事業者が倒産などで対応できなくなった場合は、施主が保険法人に直接通知し、保険金を請求できる仕組みになっています。保険協会のQ&Aでも「保険の対象になる不具合であれば、消費者から住宅瑕疵担保責任保険法人に直接通知して保険金を請求することができます」と説明されています。工事後に事業者と連絡が取れなくなるリスクに備える手段として、この保護の仕組みは重要なポイントです。
3者の関係と、申込みから不具合発生時までの流れを図に整理すると次の通りです。
保証される内容と保険期間
国土交通省の資料によると、リフォーム瑕疵保険の保険金の支払い対象は、①修補費用(リフォーム工事を実施した部分に瑕疵が発見された場合の補修費用。ただし設備機器・器具そのものの瑕疵は対象外)、②調査費用、③仮住居・転居費用等、の3つです。保険金額は工事の請負金額等によって100万円〜2,000万円の範囲で設定され、免責金額は10万円とされています。填補率(保険金が支払われる割合)は、事業者へは80%、施主へは事業者倒産等の場合に100%とされています。
一方で、保険の対象にならないケースもあります。住宅瑕疵担保責任保険協会のQ&Aでは、「地震や台風、土砂崩れなどの自然災害、シロアリ被害、建物の劣化等については支払い対象になりません」と説明されています。詳細な支払い条件は保険法人ごとの重要事項説明書・約款で確認する必要があります。
保険期間は工事部分によって異なります。住宅瑕疵担保責任保険協会の用語解説によると、構造耐力上主要な部分が基本的な耐力性能を満たさない場合や、雨水の浸入を防止する部分が防水性能を満たさない場合は5年間、それ以外の部分は1年間です。国土交通省の資料では、保険商品によって保険期間が1〜10年の幅で設定されるとの記載もあり、詳細は保険法人・商品によって異なるため、加入予定の保険法人に確認することが案内されています。
施主が確認しておきたい3つのポイント
ここまでの内容をふまえると、施主として押さえておきたいポイントは次の3つに整理できます。
- 見積もり段階で保険加入について相談する:リフォーム瑕疵保険は工事完了後には加入できません。住宅瑕疵担保責任保険協会のQ&Aでは「リフォーム工事の着工前に申込み、検査に適合している必要があります。リフォーム工事の完了後にリフォームかし保険に加入することはできません」と説明されています。加入を希望する場合は、契約前・着工前の段階で事業者に伝えておく必要があります。
- 事業者が保険法人の登録事業者かどうかを確認する:保険に加入できるのは、保険法人へ事業者登録した事業者に限られます。登録の有無は住宅瑕疵担保責任保険協会の検索サイトで確認できます。複数社を比較する際の判断材料の一つになります。
- 保険料の負担と検査のタイミングを事前にすり合わせる:保険料や検査料を誰がどこまで負担するかは、法律で決まっているわけではなく、施主と事業者の間で取り決める事項とされています。契約前の見積もり確認の段階で、保険加入の有無とあわせて費用負担の考え方も確認しておくと、後々の認識のズレを防ぎやすくなります。
これらはリフォームの相見積もりの取り方やリフォームの流れで紹介している契約前の確認ポイントとも重なります。あわせて確認しておくと、契約前にチェックすべき項目がより網羅的になります。
加入は義務か任意か
リフォーム瑕疵保険への加入は、法律上の義務ではありません。住宅瑕疵担保責任保険協会は「リフォーム工事での保険加入は義務付けられていません。リフォーム工事業者が任意で加入するものです」と明確に説明しています。
一方で、国土交通省の登録リフォーム事業者団体に所属する事業者については、構成員が一定金額以上のリフォーム工事を行う場合、原則としてリフォーム瑕疵保険に加入することとされています。つまり、依頼する事業者がどの団体に所属しているか、どのような方針で保険に対応しているかによって、加入の実態は変わってくるということです。
保険への加入を必須条件にするかどうかは、工事の規模や内容、依頼する事業者の対応方針によって判断が分かれる部分です。この記事は制度の一般的な仕組みを整理したものであり、個別の契約における加入の要否や条件は、必ず依頼予定の事業者・保険法人に直接確認してください。
まとめ
- リフォーム瑕疵保険は「検査」と「保証」がセットの保険で、加入するのは施主ではなく事業者
- 施主にとってのメリットは、第三者検査(建築士等)が入ることと、事業者倒産時に保険法人へ直接保険金を請求できること
- 保証対象は修補費用・調査費用・仮住居費用等で、保険期間は工事部分により5年間または1年間
- 加入は法律上の義務ではなく任意。ただし国交省登録団体所属の事業者は一定額以上の工事で原則加入
- 施主としては、見積もり段階での加入相談・事業者の登録状況・費用負担の3点を確認しておくとよい
工事内容ごとの費用の目安は工事種別の費用相場一覧や相場計算機でも確認できます。リフォーム会社を検討する際は、リフォーム会社の選び方もあわせてご覧ください。
東京のリフォームを無料相談
東京都内のリフォーム・フルリノベーションについて、当サイトの提携先(東京のリフォーム会社)に無料で相談できます。検討を始めたばかりの段階でも歓迎です。
[PR] 案内先は当サイトの提携先です(成約状況に応じて紹介料を受け取る場合があります)。 相談は無料で、契約を義務付けるものではありません。
よくある質問
リフォーム瑕疵保険への加入は義務ですか?
法律上の義務ではありません。住宅瑕疵担保責任保険協会は「リフォーム工事での保険加入は義務付けられていません。リフォーム工事業者が任意で加入するものです」としています。ただし、国土交通省の登録リフォーム事業者団体に所属する事業者は、一定金額以上の工事の場合、原則としてリフォーム瑕疵保険に加入することとされています。加入の有無は事業者や所属団体によって異なるため、見積もり段階で確認するとよいでしょう。
施主自身がリフォーム瑕疵保険に直接申し込むことはできますか?
できません。保険の申し込みはリフォーム工事を行う事業者が行う仕組みで、事業者はあらかじめ保険法人へ「事業者登録」をしておく必要があります。施主にできるのは、見積もりの段階で保険への加入を依頼することです。事業者から加入を断られた場合、施主が保険法人に直接申し込むことはできません。
リフォーム瑕疵保険の保険料はどれくらいですか?
保険料は保険法人ごとに個別に設定されており、一律の金額はありません。国土交通省の資料では、参考例として「請負金額400万円のリフォーム工事で3万円程度」という目安が示されていますが、これはあくまで一例です。実際の金額は工事内容や依頼する保険法人によって異なるため、事業者や保険法人に確認する必要があります。また保険料・検査料を最終的に誰が負担するかは、施主と事業者の間で取り決める事項です。
保険期間はどれくらいですか?
工事部分によって異なります。住宅瑕疵担保責任保険協会の説明では、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に不具合が生じた場合は5年間、それ以外の部分は1年間とされています。保険期間の起算日を含む詳細は保険法人・商品によって異なる場合があるため、正確な条件は加入予定の保険法人に確認してください。
依頼したリフォーム会社が倒産してしまったら、保証はどうなりますか?
リフォーム瑕疵保険に加入していれば、事業者が倒産などで補修に対応できない場合、施主が保険法人に直接通知して保険金を請求できる仕組みになっています。これがこの保険の大きな特徴のひとつです。ただし対象となるのは保険加入済みの工事に限られるため、事業者が保険に加入しているかどうかは、契約前に確認しておく価値があります。
出典
あわせて読みたい