リフォーム相場ナビ

本ページはプロモーションが含まれています

会社選び・進め方

空き家(戸建て)のリノベーション費用と注意点 — 耐震・雨漏り・解体との比較を整理

この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、リフォーム相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。

この記事のポイント

  • 全国の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%でともに過去最多・過去最高(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」)。東京都でも空き家数は約90万戸・空き家率10.9%で増加傾向にある
  • 戸建ての空き家をリノベーションして住む・活用するかの判断は、①旧耐震基準に該当するか、②雨漏り・腐朽・シロアリなど構造の劣化度合い、③実現したい間取りが今の構造でかなうか、の3点を早い段階で確認することが出発点になる
  • 一戸建てフルリフォームの費用目安(標準仕様・延床約120㎡の試算)は築年数で変わり、築21〜30年は設備交換で約600万〜1,000万円(間取り変更を含むと約800万〜1,500万円)、築30年以降は設備交換に耐震・断熱工事を加えて約1,000万〜1,500万円、さらに間取り変更も含むと約1,500万〜3,000万円(SUUMOリフォームタイムズ)
  • 空家等対策特別措置法により「特定空家等」に指定され勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、土地の固定資産税が最大6倍になる可能性がある
一戸建てフルリフォームの費用目安(築年数別)

出典:SUUMOリフォームタイムズ「一戸建てフルリフォーム・部分リフォームの費用相場。築年別のリフォーム費用、適切なメンテナンス時期、実例も紹介!」|SUUMOリフォームタイムズ記事(2023年11月公開・2026年6月更新)が示す築年数別の試算。標準的な仕様・グレードで、延床面積約120㎡の戸建てを想定。空き家は断熱・配管・耐震補強などの追加工事で上振れしやすく、実際の金額は建物の状態や工事範囲によって変わる

親から相続した実家や、しばらく人が住んでいない中古戸建てを「リノベーションして住む・活用する」べきか、それとも解体して手放すべきか。空き家は放っておくほど選択肢が狭まるテーマです。この記事では、空き家の現状データ、戸建て特有のチェックポイント、費用の考え方、放置した場合の制度上のリスクを出典つきで整理します。マンション・団地の場合は論点が異なるため、マンションリフォームの基本団地リノベーションの費用と注意点もあわせて参照してください。

空き家の現状 — 全国も東京都も過去最多・過去最高

総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月1日時点の全国の空き家数は900万戸で、2018年の849万戸から51万戸増加し過去最多となりました。空き家率は13.8%で、前回調査から0.2ポイント上昇し過去最高を更新したとされています(出典: 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」)。

東京都も例外ではありません。東京都住宅政策本部によると、令和5年の東京都の空き家数は約90万戸、空き家率は10.9%で、いずれも平成30年の前回調査から増加しているとされています。また、長期不在や取り壊し予定などの「その他の住宅」(賃貸・売却用や別荘などを除いた、活用されずに残っている空き家に近いカテゴリー)は、令和5年に約21万戸となり、平成30年の約18万戸から増加傾向にあるとされています(出典: 東京都住宅政策本部「東京都の空き家の現状」)。都心部でも「使われていない実家」は珍しい存在ではなくなっています。

リノベして住む・活用する選択肢と判断軸

空き家となった戸建ての選択肢は、大きく分けると次の4つです。

  1. リノベーションして自分や家族が住む: 立地への愛着や住み替え費用を抑えたい場合の選択肢
  2. リノベーションして賃貸・民泊などに活用する: 収益化を前提にする選択肢。事業計画や需要調査が別途必要
  3. 解体して更地で売却・建て替える: 建物の劣化が大きい、または希望する間取りが今の構造では実現できない場合の選択肢
  4. 現状のまま売却する: 自分で手を入れずに次の所有者に判断を委ねる選択肢

どれを選ぶにしても、最初に確認すべき判断軸は共通しています。

  • 旧耐震基準に該当するか: 建築確認日が1981年(昭和56年)6月1日より前かどうかで、必要な耐震補強の規模やローンの通りやすさが変わります
  • 構造の劣化度合い: 雨漏り・腐朽・シロアリ被害がどこまで進んでいるか。表面的な内装よりも、この見極めが費用を大きく左右します
  • 希望する間取りが実現できるか: 木造軸組工法か、壁を抜きにくい構造かによって、間取り変更の自由度が変わります

これらは図面や外観だけでは判断できないため、次の章で挙げるチェックポイントをもとに、リフォーム会社やインスペクション(建物状況調査)事業者による現地調査を受けることが実質的な出発点になります。

戸建て空き家ならではのチェックポイント

旧耐震基準に該当するか

国土交通省(みんな安心住まいサポートセンター)によると、1981年(昭和56年)6月1日から施行された基準が「新耐震基準」で、それより前の基準は「旧耐震基準」と呼ばれています。フラット35(住宅金融支援機構)の技術基準でも、建築確認日が昭和56年6月1日以後であることが要件の一つとされ、それより前の建築確認の物件は「耐震評価基準」などへの適合が求められるとされています(出典: フラット35「技術基準」)。空き家となっている戸建ては築年数が古いケースが多く、旧耐震基準に該当する物件が少なくありません。購入・相続した戸建てをリノベーションする際は、建築確認日を登記情報や自治体の建築計画概要書で確認し、必要に応じて耐震診断の実施を検討しておくと安心です。

雨漏り・腐朽・シロアリ

人が住まなくなった戸建ては、通気や換気が行われず、雨漏りや床下・小屋裏の湿気による木部の腐朽、シロアリ被害が進みやすくなります。これらは外観だけでは分かりにくく、床下や小屋裏に入っての現地調査で初めて判明することも多いため、リノベーションの見積もりを取る前に、構造に関わる部分の劣化状況を確認しておくことが重要です。

断熱性能

古い戸建ては断熱材が入っていない、または現在の基準より薄いことが一般的です。断熱工事を追加すると、内装だけのリフォームより費用が上振れしやすくなります。

給排水管・設備の老朽化

長期間使われていない給排水管は、劣化や詰まりが進んでいることがあります。水回りを含むリノベーションを検討する場合は、配管の経路と状態もあわせて確認しておく必要があります。

費用の考え方

戸建てのフルリフォーム費用は、築年数と工事範囲によって大きく変わります。SUUMOリフォームタイムズの記事(2023年11月公開・2026年6月更新)では、標準的な仕様・グレードで延床面積約120㎡の戸建てを想定した築年数別の試算として、築21〜30年は設備交換で約600万〜1,000万円、間取り変更を含むと約800万〜1,500万円、築30年以降は設備交換に耐震・断熱工事を加えて約1,000万〜1,500万円、さらに間取り変更も含むと約1,500万〜3,000万円という目安が示されています(出典: SUUMOリフォームタイムズ「一戸建てフルリフォーム・部分リフォームの費用相場」)。空き家となっている戸建ては築30年以降の区分に該当することが多く、耐震・断熱まで含めた上の帯で考えておくほうが実態に近くなります。

空き家は前述の耐震補強・断熱・配管の追加工事が発生しやすいため、この目安よりさらに費用がかさむケースも珍しくありません。工事の種類ごとの詳しい費用相場(キッチン・浴室・屋根・外壁など)はフルリノベーション(戸建て)の費用相場ページに、条件を入力した概算はリフォーム相場計算機にまとめているので、具体的な検討段階ではあわせて確認してください。

なお、リノベーションではなく解体を選ぶ場合、SUUMOの住まいの売却ガイドでは、木造住宅の解体費用の目安として坪単価3万〜5万円程度、30坪で90万〜150万円程度という数字が紹介されています(出典: SUUMO「家を解体する費用相場」)。この解体費用に建て替え費用を加えた総額と、リノベーション費用を比較検討することになります。ただし解体費用は立地条件(重機の搬入経路、隣家との距離)や付帯工事の有無で変わるため、あくまで目安として捉え、実際の見積もりで確認する必要があります。

補助金・制度の注意点

空き家に関する制度で、まず押さえておきたいのが「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)」です。国土交通省によると、市区町村は管理が不十分な空き家に対して、助言・指導、勧告、命令、行政代執行という段階的な措置を取ることができます。2023年12月13日に施行された改正法では、それまで対象だった「特定空家等」(倒壊のおそれや衛生上の問題があるなど、放置すれば危険な状態にある空き家)に加えて、「管理不全空家等」(放置すれば特定空家等に該当するおそれのある状態)も指導・勧告の対象に加わりました(出典: 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」、NPO法人空家・空地管理センター「空家等対策特別措置法とは」)。

見逃しやすいのが固定資産税への影響です。NPO法人空家・空地管理センターによると、特定空家等に指定されて市区町村から勧告を受けると、土地にかかる固定資産税の「住宅用地特例」が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍になる可能性があるとされています(出典: NPO法人空家・空地管理センター「空家等対策特別措置法とは」)。「空き家をとりあえず放置しておく」という選択が、税負担の増加という形で跳ね返ってくることがある点は押さえておく必要があります。

自治体によっては、耐震診断・耐震改修や老朽家屋の除却(解体)工事を対象にした補助制度を設けていることがあります。制度の有無・対象工事・金額は自治体ごとに異なり、年度によっても変わるため、この記事では具体的な金額には触れません。対象となる工事の種類から探したい場合は補助金の対象工事一覧、お住まいの区の制度を確認したい場合は各区のページで、必ず公式情報を最新の状態で確認してください。

進め方 — 現地調査から資金計画まで

  1. 建築確認日・登記情報を確認する: 旧耐震基準に該当するかどうかをまず押さえる
  2. 現地調査を依頼する: リフォーム会社やインスペクション事業者に依頼し、雨漏り・腐朽・シロアリ被害・配管の状態、耐力壁の位置を確認する。ここでリノベーションと解体・建て替えの費用感の見当がつく
  3. 自治体の制度を確認する: 耐震診断・耐震改修・除却に関する補助制度の有無を、お住まいの区市町村の窓口や公式サイトで確認する
  4. 資金計画を固める: リノベーション費用と、解体+建て替え費用を比較し、ローンの利用可否もあわせて確認する
  5. 複数社から見積もりを取る: 現地調査で判明した劣化状況・希望する間取りの実現可否を各社に共有したうえで、見積もりを比較する

放置する期間が長くなるほど、構造の劣化や制度上のリスクが進む可能性があるため、「まだ決めない」状態を続けるより、早い段階で現地調査を受けて選択肢を具体化することが、結果的に費用や手間を抑えることにつながります。

まとめ

  • 全国の空き家数は900万戸・空き家率13.8%、東京都でも約90万戸・空き家率10.9%と、ともに過去最多・過去最高の水準にある(総務省・東京都住宅政策本部)
  • 戸建て空き家のリノベーション判断は、旧耐震基準への該当有無、雨漏り・腐朽・シロアリなどの劣化度合い、希望する間取りが実現できるかの3点から始める
  • 一戸建てフルリフォームの費用目安(標準仕様・延床約120㎡の試算)は築年数別で、築30年以降は設備交換+耐震・断熱で約1,000万〜1,500万円、間取り変更も含むと約1,500万〜3,000万円(SUUMOリフォームタイムズ)
  • 空家等対策特別措置法により、特定空家等に指定され勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が最大6倍になる可能性がある

工事の種類ごとの詳しい費用相場はフルリノベーション(戸建て)の費用相場ページ、条件を入力した概算はリフォーム相場計算機で確認できます。マンション・団地を検討している場合は、マンションリフォームの基本団地リノベーションの費用と注意点もあわせてご覧ください。

東京のリフォームを無料相談

東京都内のリフォーム・フルリノベーションについて、当サイトの提携先(東京のリフォーム会社)に無料で相談できます。検討を始めたばかりの段階でも歓迎です。

[PR] 案内先は当サイトの提携先です(成約状況に応じて紹介料を受け取る場合があります)。 相談は無料で、契約を義務付けるものではありません。

よくある質問

空き家(戸建て)をリノベーションする費用はどのくらいですか?

SUUMOリフォームタイムズの記事(標準仕様・延床約120㎡の試算)によると、費用の目安は築年数で変わり、築21〜30年は設備交換で約600万〜1,000万円、間取り変更を含むと約800万〜1,500万円とされています。築30年以降は設備交換に耐震・断熱工事を加えて約1,000万〜1,500万円、さらに間取り変更も含むと約1,500万〜3,000万円とされています(SUUMOリフォームタイムズ調べ)。空き家は長期間手入れされていないケースが多く、断熱・配管・耐震補強などの追加工事で上振れしやすい点にも注意が必要です。工事内容ごとの費用相場やシミュレーションは、フルリノベーション(戸建て)の費用相場ページやリフォーム相場計算機でも確認できます。

空き家を放置するとどうなりますか?

空家等対策特別措置法により、市区町村は管理が不十分な空き家に対して助言・指導、勧告、命令、行政代執行といった段階的な措置を取ることができるとされています(国土交通省の解説による)。倒壊のおそれや衛生上の問題がある「特定空家等」に指定されて勧告を受けると、土地の固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍になる可能性があるとされています(NPO法人空家・空地管理センターの解説による)。2023年の法改正では、特定空家に至る前の段階にある「管理不全空家等」も指導・勧告の対象に加わりました。

空き家のリノベーションと、解体して建て替えるのはどちらがいいですか?

一律の正解はなく、旧耐震基準に該当するか、腐朽・シロアリ被害の程度、希望する間取りが今の構造で実現できるかによって変わります。SUUMOの解説記事では、木造住宅の解体費用は坪3万〜5万円程度が目安とされ、30坪で90万〜150万円程度という数字が紹介されています(SUUMO調べ)。この解体費用に新築費用を加えた総額と、リノベーション費用を比較して判断する必要があります。最終的には、現地調査を伴う個別の診断・見積もりで確認することをおすすめします。

出典

あわせて読みたい

費用の目安を確かめる

工事種別・広さ・グレードから費用相場の目安を確認できます(出典を確認できた金額から順次掲載しています)。

リフォーム相場計算機へ

最終更新日: