会社選び・進め方
リフォーム契約の注意点 — 契約書で確認すべき項目・支払い条件・クーリングオフ・保証を解説
この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、リフォーム相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- 建設業法第19条は、建設工事の請負契約の当事者が書面に記載し相互に交付すべき事項を16項目定めている(2026-08-26確認)。すべてを丸暗記する必要はないが、施主が特に確認すべきなのは工事内容・請負代金・工期・支払いの時期と方法・契約不適合責任・違約金その他の損害金・紛争の解決方法の7項目
- 支払い条件について、着手金や前払い金の「相場となる割合」を示す公的な出典は確認できなかったため、この記事では具体的な数字を断定しない。ただし建設業法19条5号が「前金払又は出来形部分に対する支払」の定めを契約書に明記させている趣旨をふまえ、支払いのタイミングが工事の進捗(出来高)とどう対応しているかを契約書上で確認することが重要
- 業者が自宅等を訪問して勧誘し契約した場合(訪問販売)は、契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフができる。事業者が虚偽の説明等でクーリング・オフを妨害した場合は、その期間が延長される(消費者庁、2026-08-26確認)
- 契約内容や支払い条件に疑問がある場合、国土交通大臣指定の相談窓口「住まいるダイヤル」や、消費者ホットライン(188)経由の消費生活センターに、契約前の段階から相談できる(いずれも2026-08-26に実際にアクセスして確認)
「リフォーム 契約 注意点」で検索している方は、すでに依頼するリフォーム会社の候補を絞り込み、これから契約書にサインしようとしている段階の方が多いのではないでしょうか。この記事は、その契約段階だけに絞って注意点を整理します。
会社選びそのもの(会社の種類・相見積もりの取り方・訪問営業や点検商法への対処)は別記事リフォーム会社の選び方で、リフォーム全体の流れの中で契約がどこに位置するかはリフォームの流れを7ステップで解説でそれぞれ解説しています。また、建設業許可そのものの制度や確認方法はリフォーム会社の資格・建設業許可とは、工事後の保証にかかわるリフォーム瑕疵保険の詳細はリフォーム瑕疵保険とはで深掘りしています。この記事では、それらと重複しないよう、**契約書そのものの読み方・支払い条件・クーリング・オフ・契約不適合責任(保証)**に絞って解説します。
契約書は「ある」だけでは足りない — 建設業法第19条が定める記載事項
リフォーム工事も建設工事の一種であり、請負契約を結ぶ際には建設業法が適用されます。同法第19条第1項は、次のように定めています(2026-08-26確認)。
建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
つまり、契約書は「存在する」だけでは不十分で、法律で定められた事項が記載され、かつ双方が署名・記名押印したものを、お互いに受け取っている状態であることが求められています。同条第1項が列挙する事項は次の16項目です(読みやすさのため一部の号は要旨で記載しています。正確な文言は出典の建設業法原文をご覧ください)。
- 工事内容
- 請負代金の額
- 工事着手の時期及び工事完成の時期
- 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
- 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
- 当事者の一方から設計変更等の申出があった場合の工期・請負代金の変更、損害の負担に関する定め
- 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担に関する定め
- 価格等の変動に基づく請負代金の額又は工事内容の変更に関する定め
- 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
- 注文者(施主)が資材を提供し、又は建設機械等を貸与するときは、その内容及び方法
- 注文者(施主)が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
- 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
- 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合における、その不適合を担保すべき責任(契約不適合責任)又は保証保険契約の締結等の定めをするときは、その内容
- 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
- 契約に関する紛争の解決方法
- その他国土交通省令で定める事項
さらに同条第2項は、これらの事項のうち契約内容を変更する場合も、変更内容を記載した書面を作成し相互に交付しなければならないと定めています。第3項では、契約の相手方の承諾を得たうえで、書面に代えて情報通信の技術を利用する方法(電磁的方法)によることも認められており、この場合は書面交付の措置を講じたものとみなすと定められています(建設業法第19条、2026-08-26確認)。
施主が特に確認したい7項目とその理由
16項目すべてを暗記する必要はありません。契約書を受け取ったら、次の7項目が空欄になっていないか・「一式」などの曖昧な表記でまとめられていないかを優先的に確認してください。
| 確認する項目 | 契約書での見え方の例 | なぜ確認するか |
|---|---|---|
| 工事内容 | 工事箇所・仕様・使用する部材のグレードが明記されているか | 見積もり時の説明と食い違っていないかは、工事内容が具体的に書かれていないと照合できない |
| 請負代金の額 | 総額だけでなく、内訳(本体工事費・諸経費など)が分かるか | 「一式◯◯円」だけの記載だと、追加費用が発生した際の基準がなくなる |
| 工期(着手・完成の時期) | 着工予定日・完成予定日が具体的な日付または期間で書かれているか | 「未定」のままだと、遅延が起きた場合に何が遅延なのか判断できない |
| 支払いの時期と方法 | 着手時・中間・完成後など、いつ・いくら・どうやって支払うかが書かれているか | 次章で詳しく扱う、契約段階で最もトラブルになりやすい項目 |
| 契約不適合責任(保証)の定め | 工事後に欠陥が見つかった場合の対応・保証期間が書かれているか | 「別記事で解説」の章で詳しく扱う |
| 違約金その他の損害金 | 工期に遅れた場合や契約を解除した場合の金銭的な取り決めがあるか | どちらか一方に不利な金額・条件になっていないかを見る材料になる |
| 紛争の解決方法 | トラブルが起きた際にどこで・どう解決するかの取り決めがあるか | 記載がなくても契約自体は有効だが、記載があれば万一の際の道筋が分かる |
下の図は、契約書を受け取ってから確認を進める大まかな流れを整理したものです。
支払い条件の注意点 — 「出来高払い」と「前払い」
契約段階でもっとも実務的な注意点が支払い条件です。建設業法第19条第1項第5号は「請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法」を契約書に明記するよう求めています(2026-08-26確認)。裏を返せば、法律は支払いの方式そのものを一つに固定しているわけではなく、どういう方式にするかを当事者間で決め、書面に明記することを求めている、という構造です。
着手金や中間金の割合について「一般的には◯%が相場」といった数字は、当サイトが確認できる公的な出典の中には見当たりませんでした。相場を装った断定は避け、この記事では具体的なパーセンテージは示しません。そのかわりに、契約書を確認する際の視点として次の2点をおすすめします。
- 支払いのタイミングが、工事の進捗(出来形部分)とどう対応しているかを確認する: 「着手時に◯円、中間時に◯円、完成・引き渡し後に残額」のように、工事の各段階と支払いの対応関係が具体的に書かれているか
- 工事着手前、または工事完成前に代金の全額を一括で前払いするよう求められていないかを確認する: この場合、支払った後に工事が実施されなかったり、工事の途中で中断したりした際に、支払い済みの代金を取り戻すことが難しくなる可能性があります。全額前払いを提示された場合は、その理由(材料の一括発注が必要など)を担当者に確認し、納得できない場合は契約前に住まいるダイヤルなどの相談窓口(記事後半で紹介します)に相談することをおすすめします
なお、追加工事が発生した場合の費用や支払いタイミングの取り決めも、契約書または追加工事に関する別書面で確認しておくと、工事後の認識のズレを防ぎやすくなります。
訪問販売で契約した場合のクーリング・オフ
会社側からの訪問営業をきっかけに、その場や自宅で契約してしまった場合(いわゆる訪問販売)は、特定商取引法に基づくクーリング・オフの対象になります。消費者庁の特定商取引法ガイド「訪問販売でリフォーム工事の契約をさせられた」では、契約内容を記載した書面を受け取ってから8日以内であれば、消費者の側から一方的に契約を解除できると案内されています(2026-08-26確認)。
同ページでは、事業者が「もう工事の手配が終わっている」「今さらクーリング・オフはできない」といった言動でクーリング・オフを妨害した場合、あらためてクーリング・オフができる旨を明示した書面を交付された日から8日間、クーリング・オフができる、という延長のルールも示されています(2026-08-26確認)。工事がすでに始まっていても、こうした妨害があった場合はクーリング・オフができる可能性があるため、自己判断で諦めず、後述の相談窓口に確認することをおすすめします。
なお、訪問営業や点検商法そのものへの向き合い方(その場で契約しない、無料点検を安易に受けない等)は、会社選びの段階の話としてリフォーム会社の選び方で詳しく解説しています。
工事後のトラブルに備える — 契約不適合責任(保証)
契約書に記載される項目のうち、工事後のトラブルに直結するのが「契約不適合責任」(建設業法第19条第1項第13号でいう「工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合における、その不適合を担保すべき責任」)の定めです。
民法にも、請負契約の目的物が契約内容に適合しない場合の請負人の責任に関する規定があります(2026-08-26、e-Gov法令検索で該当条文の存在を確認)。ただし、通知すべき期間や請求できる内容(修補・代金減額・損害賠償など)の具体的な適用は個別の契約内容や工事の状況によって判断が分かれるため、この記事では条文の細部までは立ち入りません。契約書の保証条項に何がどう書かれているかを確認したうえで、疑問があれば専門の相談窓口や弁護士に確認することをおすすめします。
なお、契約不適合責任を金銭面で補完する制度として「リフォーム瑕疵保険」があります。これは施主ではなくリフォーム事業者が任意で加入する保険で、事業者が倒産した場合などに施主が保険法人へ直接保険金を請求できる仕組みです。加入の確認方法や保険金額の目安は、別記事リフォーム瑕疵保険とはで詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
契約内容に疑問があるときの相談先
契約書の内容や支払い条件に疑問や不安がある場合、契約前・契約後を問わず相談できる窓口が2つあります。いずれも2026-08-26に当サイトの編集部が実際にアクセスし、内容を確認しました。
住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター): 国土交通大臣が指定する住宅相談の窓口で、電話番号は03-3556-5147、受付時間は10時から17時(土日・祝日・年末年始を除く)です。建築士等の専門家が、リフォームの契約内容や見積もり、工事トラブルに関する相談に電話で対応しています(2026-08-26確認)。
消費生活センター(消費者ホットライン188): 「188(いやや)」に電話すると、住んでいる地域の最寄りの消費生活センター等の相談窓口を案内してもらえます。契約のトラブルなど日常生活に関する相談を受け付ける窓口で、独立行政法人国民生活センターが全国の消費生活センター等の情報を公開しています(2026-08-26確認)。
契約書にサインする前の段階でも、内容に納得できない点があれば、これらの窓口に相談してから判断することができます。
まとめ — 契約書を前にしたら何を見るか
依頼先が決まり契約書を渡されたら、次の順番で確認してください。
- 建設業法19条が定める記載事項のうち、工事内容・請負代金・工期・支払いの時期と方法・契約不適合責任・違約金・紛争解決方法の7項目が、空欄や「一式」表記のままになっていないか
- 支払いのタイミングが工事の進捗(出来高)と対応しているか、着手前・完成前の全額一括前払いを求められていないか
- 訪問営業をきっかけに契約した場合は、契約書面受領から8日以内のクーリング・オフの対象になっていないか
- 工事後の欠陥に備えた契約不適合責任・保証の定めがあるか(リフォーム瑕疵保険への加入の有無も含めて)
これらを確認した上でも疑問が残る場合は、署名・押印の前に住まいるダイヤルや消費生活センターに相談することをおすすめします。会社選びの段階からやり直したい場合はリフォーム会社の選び方、建設業許可の確認方法はリフォーム会社の資格・建設業許可とは、工事後の保証についてはリフォーム瑕疵保険とはもあわせてご覧ください。
東京のリフォームを無料相談
東京都内のリフォーム・フルリノベーションについて、当サイトの提携先(東京のリフォーム会社)に無料で相談できます。検討を始めたばかりの段階でも歓迎です。
[PR] 案内先は当サイトの提携先です(成約状況に応じて紹介料を受け取る場合があります)。 相談は無料で、契約を義務付けるものではありません。
よくある質問
契約書に建設業法で決められた項目がきちんと書かれているか、どこを見ればいいですか?
建設業法第19条は契約書に記載すべき事項を16項目定めていますが、施主が契約書を受け取ったときにまず見るべきなのは、工事内容・請負代金の額・工期(着手と完成の時期)・支払いの時期と方法・契約不適合責任(保証)の定め・違約金その他の損害金・紛争の解決方法の7つです(建設業法第19条、2026-08-26確認)。これらの項目が「一式」のような曖昧な表記でまとめられていないか、空欄のまま署名を求められていないかを確認してください。内容を変更する場合も、同条第2項により変更内容を記載した書面を相互に交付することが定められています。
契約前に工事代金の全額を前払いするよう求められました。応じても大丈夫ですか?
前払いの割合について「これくらいが相場」と断定できる公的な出典は確認できていないため、この記事では具体的な数字はお伝えできません。判断の材料になるのは、建設業法第19条第1項第5号が「前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法」を契約書に明記するよう求めている点です(2026-08-26確認)。工事に着手する前、あるいは工事が完成する前に代金の全額を一括で支払うよう求められた場合は、支払いのタイミングが工事の進捗(出来形)とどう対応しているかを契約書上で確認し、納得できない場合は契約前に住まいるダイヤル等の相談窓口に相談することをおすすめします。
訪問営業で契約してしまいましたが、クーリング・オフはできますか?
業者が自宅等を訪問して勧誘し、その場で契約した場合(訪問販売)は、契約内容を記載した書面を受け取った日から8日以内であれば、消費者の側から一方的に契約を解除できます(クーリング・オフ)。事業者が「もう手配が終わっている」などとクーリング・オフを妨害する言動をした場合は、あらためてクーリング・オフができる旨を明示した書面を受け取った日から8日間、クーリング・オフができます(消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売でリフォーム工事の契約をさせられた」、2026-08-26確認)。迷った場合は自己判断で工事を進めず、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談してください。
出典
あわせて読みたい