会社選び・進め方
リフォームのトラブルは実際に何が多い? 公的相談統計と当サイト173社の確認状況で解説
この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、リフォーム相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- 住宅リフォーム・紛争処理支援センターへの2025年度の新規相談は30,414件、うちリフォーム相談は11,004件(前年度比7.7%減)。内訳は「知見相談」32.1%が最多で、トラブル区分では「不具合トラブル」29.0%が「契約トラブル」25.5%を上回る
- トラブルの苦情相手は94.2%が「リフォーム業者」本人。解決を希望する内容は「修補」39.6%が最多で、「損害賠償」30.9%が続く(いずれも住宅のトラブルに関する相談が対象)
- 訪問販売に関する相談は2025年度442件(トラブルを含むリフォーム相談の6.0%・前年度比32.2%減)。契約時期が判明しているもののうち98.3%が「契約後の相談」で、相談者は50歳代30.5%が最多
- 同じ「訪問販売のリフォームトラブル」でも、国民生活センター(PIO-NET)の集計では2025年度5,544件と、紛争処理支援センターの件数とは桁が異なる。これは窓口の性格(住宅専門の電話相談か、全国の消費生活センター全体の相談か)の違いによるもので、どちらか一方だけで実態を判断しない方がよい
- 当サイトが収録する東京のリフォーム会社173社のうち、公式サイトで建設業許可番号の記載を確認できたのは126社(72.8%)。一方、リフォーム瑕疵保険の登録事業者である旨を公式サイトに明記している会社は1社(0.6%)にとどまる
出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2026」|電話相談のうちリフォーム相談。住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)の集計
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「リフォーム トラブル」「リフォーム 失敗」と検索している方の多くは、これから工事を依頼するにあたって「実際にどんなトラブルが多いのか」「自分の契約の進め方は大丈夫か」を事前に知りたいのだと思います。この記事では体験談やランキング形式の「よくある事例○選」は作らず、国が指定する相談窓口の公的な統計データと、当サイトが収録する東京のリフォーム会社173社の確認状況だけを根拠に、依頼前に知っておきたい実態を整理します。費用相場そのものは扱わないので、金額の目安が知りたい方は工事種別の費用相場一覧をあわせてご覧ください。
リフォーム相談は年間何件? 新規相談の推移と内訳
住宅リフォーム・紛争処理支援センター(国土交通大臣指定・以下「センター」)は、住宅に関する電話相談を長年受け付けており、2025年度の新規相談件数は30,414件、そのうちリフォームに関する相談は11,004件でした(前年度比7.7%減、2000年度の相談業務開始以降の累計は551,606件)。直近5年間の推移は上の図のとおりで、2022年度の12,243件をピークにゆるやかな減少傾向にあります(出典: 住宅相談統計年報2026 P10・P11、確認日2026-10-01)。
この11,004件の内訳を見ると、制度や手続きを尋ねる「知見相談」が32.1%で最も多く、トラブルに分類されるのは「不具合トラブル」29.0%、「契約トラブル」25.5%、両方にまたがる「不具合と契約トラブル」11.5%です。さらに、住宅のトラブルに関する相談(n=7,174)の苦情相手は94.2%が「リフォーム業者」本人で、解決を希望する内容(n=7,184)は「修補」39.6%が最多、「損害賠償」30.9%が続きます。
つまり、リフォーム相談のうちトラブルに該当するのはおよそ3分の2で、そのトラブルの多くは「工事に不具合があった」ことに起因し、多くの人がまず「直してほしい(修補)」を希望している、という構図です。「損害賠償」や「契約解消」を望む声も一定数ありますが、最多ではありません。
訪問販売のトラブルは何件? 年代は?
センターの統計には、訪問販売に関する相談だけを集計した区分もあります。2025年度は442件(前年度比32.2%減)で、トラブルが含まれるリフォーム相談全体の**6.0%**を占めています。2021年度以降の推移は次のとおりです(出典: 住宅相談統計年報2026 P32、確認日2026-10-01)。
| 年度 | 訪問販売相談件数 | トラブルを含むリフォーム相談に占める割合 |
|---|---|---|
| 2021 | 751件 | 10.0% |
| 2022 | 800件 | 9.8% |
| 2023 | 878件 | 11.1% |
| 2024 | 652件 | 8.5% |
| 2025 | 442件 | 6.0% |
件数・割合とも2023年度をピークに減少しています。相談内容は「契約に関するトラブル」が71.5%で最も多く、解決を希望する内容は「契約解消」48.0%が最多です。また、契約時期が判明している訪問販売相談の**98.3%が「契約後の相談」**で、相談者の年代は50歳代30.5%が最も多く、次いで70歳代以上20.5%となっています。契約してから「おかしいのでは」と気づくケースが大半を占めている、という点は覚えておく価値があります。
同じ「訪問販売のリフォームトラブル」でも、窓口によって件数の桁が違う理由
ここまで紹介したセンターの統計とは別に、国民生活センターが運営する全国の消費生活相談データベース「PIO-NET」にも、訪問販売によるリフォーム工事の相談件数が公表されています。屋根・壁・増改築・塗装・内装工事の訪問販売を対象とした集計で、直近の件数は次のとおりです(出典: 国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」、件数は2026-05-31現在、確認日2026-10-01)。
| 年度 | 訪問販売によるリフォーム工事(PIO-NET) |
|---|---|
| 2023 | 11,879件 |
| 2024 | 9,839件 |
| 2025 | 5,544件 |
センターの統計では2025年度の訪問販売相談は442件でしたが、PIO-NETでは同じ2025年度に5,544件と、桁が一つ違います。これは、どちらかが不正確というわけではなく、窓口の性格がそもそも違うためです。
- センター(住まいるダイヤル)の442件: 住宅のトラブルを専門に扱う1つの電話相談窓口に寄せられた相談のうち、相談員が訪問販売と判断したもの。契約時期が判明しているものの98.3%が「契約後の相談」
- PIO-NET(国民生活センター)の5,544件: 全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談のうち、訪問販売によるリフォーム工事(屋根・壁・増改築・塗装・内装)に関するものを集計した件数。相談を受け付けている窓口の数そのものが違う
どちらか一方だけを見て「訪問販売のトラブルはこれだけ」と判断するのは早計です。規模感をつかみたいならPIO-NETの数字(全国の消費生活相談の実態)、住宅専門の相談先を探しているならセンター(住まいるダイヤル)、という使い分けで読むのが実態に近いでしょう。なお、同じPIO-NETには「点検商法」の相談件数も別区分で公表されていますが、この数値と見分け方のポイントは別記事リフォーム会社の選び方で扱っているため、本記事では訪問販売工事の件数のみを取り上げています。
東京都が公表した行政処分の実例
都道府県や経済産業局は、特定商取引法等に違反した事業者に対して業務停止命令などの行政処分を行うことがあります。東京都が2024年度に公表した事例の一つを、評価を加えずそのまま紹介します。
東京都は、株式会社朝日HOME’Sに対し、特定商取引法違反を理由に2024年7月30日から2025年4月29日までの9か月間、業務停止命令を行いました。公表資料によると、「サービスで点検する」「瓦が剥がれている」等の不実告知により屋根工事等の契約を勧誘していたとされています。処分の基礎となった相談は令和4年度7件・令和5年度14件・令和6年度2件の計23件です(出典: 東京都「株式会社朝日HOME’Sに対する行政処分について」、確認日2026-10-01)。
この事例からも分かるように、「無料点検」をきっかけに不具合を指摘して工事を勧誘する手口は、行政処分の対象になった実例があります。点検商法の見分け方や注意点は別記事リフォーム会社の選び方で詳しく解説しています。
契約前に「公式サイトで確認できる情報」はどれだけあるか — 当サイト173社の集計
ここまでの統計を踏まえると、契約前にどれだけの情報を確認できるかがトラブル回避の実務的なポイントになります。当サイトが東京のリフォーム・リノベーション会社を掲載している業者データベースを対象に、契約前に施主が確認したい項目が公式サイトにどれだけ記載されているかを集計しました。
集計方法: 2026-10-01時点で当サイトの業者データベースに掲載している東京のリフォーム・リノベーション会社173社(公式サイト等で実在を確認済み)を対象に、各社の公式サイトまたは区の公式事業者登録名簿に記載があるかどうかを、掲載データをもとに機械集計しました。
| 確認したい項目 | 公式サイトで記載を確認できた社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 電話番号 | 166社 | 96.0% |
| 建設業許可番号 | 126社 | 72.8% |
| 受付・営業時間 | 119社 | 68.8% |
| 対応エリア | 112社 | 64.7% |
| 一級/二級建築士事務所登録 | 35社 | 20.2% |
| 宅地建物取引業者の登録 | 25社 | 14.5% |
| リフォーム瑕疵保険の登録事業者である旨 | 1社 | 0.6% |
電話番号(96.0%)や受付時間(68.8%)のような基本情報はほとんどの会社が公開している一方、建設業許可番号は72.8%にとどまります。許可の要否は工事規模によって変わるため、記載がない会社が無許可という意味ではありません(判定方法は別記事リフォーム会社の資格・建設業許可とはで解説しています)。
特に目を引くのが、リフォーム瑕疵保険の登録事業者である旨を公式サイトに明記している会社が1社(0.6%)しかない点です。これは当サイトの集計が「公式サイトに記載があるか」を数えたものだからで、加入の有無そのものは公式サイトの記載からは分からないということです。瑕疵保険は工事後の欠陥(瑕疵)の補修費用をカバーする制度で、加入の有無は保険法人の事業者検索で個別に確認できます。制度の詳しい内容は別記事リフォーム瑕疵保険とはで解説しています。
つまり、公式サイトの記載だけでトラブル回避の判断材料が揃うわけではなく、気になる会社については「許可番号は国交省の検索システムで実在確認」「瑕疵保険は保険法人の検索で加入確認」と、自分で一次情報に当たる一手間が実質的なリスク低減につながります。複数社を比較する場合の進め方は別記事リフォームの相見積もりの取り方もあわせてご覧ください。
契約前・契約後に困ったときの相談窓口
ここまでの統計からも分かるとおり、トラブルの多くは契約後に気づきます。迷ったときや契約前に不安があるときに相談できる窓口を、東京都の窓口を含めて整理します。
| 窓口 | 連絡先 | 受付時間 | 運営 |
|---|---|---|---|
| 住まいるダイヤル | 03-3556-5147 | 平日10:00〜17:00(土日祝・年末年始除く) | 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(国土交通大臣指定) |
| 東京都リフォーム総合相談窓口 | 03-5989-1683 | 平日9:00〜17:00(祝日・年末年始除く) | (公財)東京都防災・建築まちづくりセンター(2024年7月開設) |
| 東京都消費生活総合センター | 03-3235-1155 | 月〜土9:00〜17:00 | 東京都 |
| 消費者ホットライン | 188 | 原則毎日(年末年始除く) | 消費者庁・各地の消費生活センター |
前の章で触れたとおり、住まいるダイヤルは見積書についての相談も受け付けており、2025年度は見積書に関する相談が430件、うち141件は実際に見積書の送付を受けて確認が行われています(出典: 住宅相談統計年報2026 P33、確認日2026-10-01)。契約前に金額や工事内容に疑問がある段階でも相談できるため、契約後の相談に限定されているわけではありません。
また、業者が自宅等を訪問して勧誘し契約した場合(訪問販売)は、法定の契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフができます(特定商取引法第9条、消費者庁、確認日2026-10-01)。契約書そのものの確認ポイントは別記事リフォーム契約の注意点で詳しく解説しています。
検索して情報を集める段階で不安を減らせる部分と、実際に契約書・見積書を見てもらわないと判断できない部分があります。後者については、自己判断で契約や工事を進める前に、上の窓口のいずれかに相談することをおすすめします。会社選びの段階であれば、業者一覧で許可番号や対応エリアの記載を見比べたうえで、相見積もりの取り方を参考に複数社から見積もりを取り、契約前に疑問が残れば住まいるダイヤルに見積書ごと相談する——この順番なら、統計で最も多かった「契約後に気づく」状態を避けやすくなります。
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よくある質問
リフォームのトラブルで一番多いのはどんな内容ですか?
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの2025年度の相談統計(リフォーム相談11,004件)では、制度や手続きを尋ねる「知見相談」が32.1%で最も多く、トラブルに限ると「不具合トラブル」29.0%が「契約トラブル」25.5%をやや上回っています(P20図1-27、確認日2026-10-01)。住宅のトラブルに関する相談の苦情相手は94.2%が「リフォーム業者」本人で、解決を希望する内容は「修補」39.6%が最多、「損害賠償」30.9%が続きます(P22図1-34・図1-35)。工事後に不具合が見つかった場合、多くの人がまず「直してほしい(修補)」を希望している、という傾向が読み取れます。
訪問販売でリフォーム工事を契約してしまいました。クーリング・オフはできますか?
業者が自宅等を訪問して勧誘し、その場で契約した場合(訪問販売)は、法定の契約書面を受け取った日から8日以内であれば、書面または電磁的記録により申込みの撤回・契約の解除ができます(特定商取引法第9条、消費者庁、確認日2026-10-01)。住宅リフォーム・紛争処理支援センターの統計でも、訪問販売に関する相談のうち契約時期が判明しているものの98.3%が「契約後の相談」であり、多くの人が契約してから迷いや問題に気づいています。期間内かどうか迷う場合や妨害行為があった場合は、自己判断で工事を進めず早めに住まいるダイヤルや消費生活センターに相談してください。契約書そのものの確認ポイントは別記事[リフォーム契約の注意点](/column/erabikata/reform-keiyaku-chuiten/)で詳しく解説しています。
建設業許可番号が公式サイトに載っていない会社は避けたほうがいいですか?
一概には言えません。工事1件の請負代金が500万円未満など一定規模以下の「軽微な建設工事」のみを請け負う会社は、法律上そもそも建設業許可を取得する義務がありません(建設業法施行令第1条の2)。当サイトが収録する東京のリフォーム会社173社のうち、公式サイトで許可番号の記載を確認できたのは126社(72.8%、2026-10-01時点の自社データベース集計)で、記載がない47社が無許可という意味ではなく「公式サイトで確認できなかった」という意味です。許可の要否の判定方法や番号が実在するかの確認手順は、別記事[リフォーム会社の資格・建設業許可とは](/column/erabikata/reform-kaisha-shikaku/)で解説しています。
見積書の内容に疑問がある場合、専門家に見てもらう方法はありますか?
住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)は、消費者が業者から受け取った見積書についての相談も受け付けています。2025年度は見積書に関する相談が430件あり、うち141件は実際に見積書の送付を受けて確認が行われました(住宅相談統計年報2026 P33、確認日2026-10-01)。契約前に金額や工事内容に不安がある場合は、契約する前の段階で相談することができます。複数社の見積もりを比較する具体的な進め方は別記事[リフォームの相見積もりの取り方](/column/erabikata/reform-aimitsumori/)でも解説しています。
出典
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