会社選び・進め方
中古住宅を購入してリノベーションする流れとは?物件探しと設計を並行して進める7つのステップ
この記事は、官公庁・法令・メーカー公式情報などの一次情報と出典を確認したうえで、リフォーム相場ナビ編集部が作成・更新しています。編集方針については運営ポリシーをご覧ください。
この記事のポイント
- 中古住宅を購入してリノベーションする場合は、「物件探し」と「リノベーションの設計・プランニング」を並行して進める点が、住んでいる自宅をリフォームする場合と大きく異なる
- 物件探しから入居までの全体期間を示す公的統計は見当たらない。工事期間については国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」でリフォーム実施世帯(三大都市圏・n=579)の分布が公表されており、1週間以内が58.9%を占める一方、1か月を超える工事も12.6%ある。工事範囲で期間は大きく変わり、クリナップ公式ではキッチン入れ替えのみ約1週間に対し、LDK全体の大規模リフォームは約3.5か月の目安が示されている
- 中古住宅の取得とリフォームをまとめて借りる方法として、住宅金融支援機構の「【フラット35】リノベ」がある。自ら中古住宅を購入してリフォームする「リフォーム一体タイプ」と、リフォーム済みの物件を購入する「買取再販タイプ」の2つの利用方法がある
- 「中古を買ってリノベーション」と「リノベーション済み物件を買う」は似ているようで進め方が異なる選択肢。どちらが向くかは、間取りの自由度と工事期間の負担のどちらを優先するかで変わる
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「リノベーションの流れ」を調べている方の多くは、中古のマンションや戸建てを購入して、間取りから作り直すようなリノベーションを検討しているのではないでしょうか。この記事では、中古住宅を購入してフルリノベーション・スケルトンリノベーションする場合の流れを、物件探しから入居までの7ステップで整理します。
なお、すでに住んでいる自宅を修繕・改修する「住みながらのリフォーム」の流れは別記事リフォームの流れを7ステップで解説で解説しています。「物件を新たに購入するかどうか」で読むべき記事が変わりますので、ご自身の計画に近いほうをご参照ください。
住んでいる家のリフォームと何が違うのか
住みながらのリフォームは、「検討→情報収集→会社探し→契約→工事」という単線の流れで進みます。一方、中古住宅を購入してリノベーションする場合は、次の2つの流れが同時に進みます。
- 物件探しの流れ: 不動産会社を通じた物件探し、内見、購入申込み、住宅ローンの審査、売買契約
- リノベーションの流れ: リノベーション会社への相談、現地確認、プランニング、見積もり、仕様の決定
どちらか一方が終わってから次に進むのではなく、物件が決まる前からリノベーションの相談を始めるのが、この記事で扱う流れの最大の特徴です。
全体の流れ:7つのステップ
- 資金計画・要望整理 — 物件購入費とリノベーション費用をあわせた予算感をつかみ、理想の暮らし方を整理する
- 物件探し / リノベーション会社への相談(並行) — 物件を内見しながら、リノベーション会社にも早い段階で相談を始める
- 住宅ローン事前審査 / 実施設計・見積り確定(並行) — 購入申込みと並行して、リノベーションの仕様と費用を固めていく
- 売買契約 — 物件の売買契約を結ぶ
- 決済・引き渡し — 住宅ローンの本審査を経て、物件の引き渡しを受ける
- 着工・工事 — 工程表に沿って工事が進む。必要に応じて仮住まいを手配する
- 完成・引き渡し・入居 — 完了検査を経て引き渡しを受け、入居する
なぜ物件探しと設計を並行させるのか
住みながらのリフォームであれば、物件(自宅)はすでに決まっているため、会社探しや見積もりにじっくり時間をかけられます。しかし中古住宅を購入してリノベーションする場合、良い物件は他の買主と競合することもあり、悠長には進められません。
物件が正式に決まってからリノベーション会社を探し始めると、プランニングや見積もりに時間がかかり、住宅ローンの審査手続きが間に合わず、その間に物件が他の買主に決まってしまう可能性があります。そのため、物件探しの初期段階からリノベーション会社に相談し、気になる物件が見つかった時点で「この物件でどんなリノベーションができそうか」を一緒に確認しながら進めるのが実務上のポイントです。マンションであれば管理規約による制約(共用部分の扱いなど)、戸建てであれば構造上動かせない壁の有無なども、この段階で確認しておく事項になります。マンションの共用部分の制約についてはスケルトンリノベーションの費用と選び方でも解説しています。
資金計画:物件購入費とリノベーション費用をどう借りるか
中古住宅の購入費用とリノベーション費用は、まとめて住宅ローンとして借りる方法があります。代表的な制度が住宅金融支援機構の「【フラット35】リノベ」です。中古住宅の取得とあわせて一定の要件を満たすリフォームを行うことで、【フラット35】の借入金利が当初5年間引き下げられる仕組みで、要件を満たす水準に応じて金利Aプラン(年1.0%引き下げ)・金利Bプラン(年0.5%引き下げ)の2つのプランがあります(住宅金融支援機構)。
この制度には、自分で中古住宅を購入したあとに自らリフォームを行う「リフォーム一体タイプ」と、住宅事業者がリフォームを終えた中古住宅を購入する「買取再販タイプ」の2つの利用方法があり、前者は取扱いのある金融機関での申し込みが必要になる点が異なります(住宅金融支援機構)。無担保・有担保のリフォームローンとの違いや、住宅ローン控除の対象になる条件は、リノベーションローンの選び方で詳しく解説しています。
期間の目安と仮住まいの要否
「物件探しから入居まで何か月か」を一括で示した公的な統計は、国土交通省の住宅市場動向調査・住宅リフォーム推進協議会の消費者実態調査のいずれにも見当たりませんでした(2026年10月2日確認)。全体の期間は、物件探し・住宅ローン審査・設計・工事の各工程の積み上げで決まるため、ここでは出典が確認できる「工事期間」の数字から見通しを立てます。
国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」(令和8年7月公表)では、2024年4月〜2025年3月にリフォームを実施した三大都市圏の世帯(回収数579)の工事期間が公表されています。全体では「1週間以内」が58.9%と最も多く、「1週間超2週間以内」12.6%、「2週間超1か月以内」15.4%で、1か月を超えた工事は合計12.6%(1か月超2か月以内6.2%・2か月超3か月以内3.5%・3か月以上2.9%)でした。建て方別では、集合住宅は1週間以内が70.9%に達する一方、一戸建ては54.8%にとどまり、1か月を超える工事の割合も一戸建て13.4%・集合住宅10.1%と差があります。
この分布には設備の交換や内装の張り替えのような小規模な工事も含まれているため、間取りまで変えるフルリノベーションにそのまま当てはめることはできません。工事の範囲で期間がどれほど変わるかは、メーカー公式の目安が参考になります。クリナップは、キッチンの入れ替えだけなら「お使いのキッチンの解体から完成・引き渡しまで約1週間」、キッチン空間(内装込み)なら約2か月、LDK全体の大規模リフォームなら約3.5か月を目安として示しています(出典: クリナップ「キッチンリフォームの工期はどれくらい?」2026年10月2日確認)。同じキッチンまわりでも工事範囲で期間が10倍以上違うので、「どこまで手を入れるか」が決まらないうちはスケジュールも決まらない、と考えておくのが実態に近いでしょう。
工事中は新しい家に住めないため、中古住宅を購入してリノベーションする場合は、物件の引き渡しから工事完了までの間、現在の住まいの家賃と住宅ローンの返済が重なる期間が生じ得ます。現在の住まいの退去日は、工事の完了予定日から逆算して余裕を持たせて設定するのが現実的です。実際の期間や仮住まいの要否は物件の状態や工事内容によって変わるため、契約前にリノベーション会社へ具体的な工程表を確認しておくことをおすすめします。
「中古を買ってリノベーション」と「リノベーション済み物件を買う」の違い
物件探しを進めるなかで、すでにリノベーションが完了した中古物件(いわゆるリノベ済み物件)を見かけることもあるはずです。この違いは、前述の【フラット35】リノベの制度区分がわかりやすい整理軸になります。
- 中古を買ってリノベーション(リフォーム一体タイプ): 自分で中古住宅を購入し、自らリフォームを行う。間取りや設備を希望どおりに決められる一方、この記事で紹介した物件探し〜設計〜工事という工程をすべて経る必要がある
- リノベーション済み物件を買う(買取再販タイプ): 住宅事業者がリフォームを終えた中古住宅を購入する。工事を待つ必要がなくすぐに住める状態で購入できる一方、間取りやデザインはすでに決まったものから選ぶことになる
(出典: 住宅金融支援機構「【フラット35】リノベ」の制度区分による)
間取りの自由度を優先するなら「中古を買ってリノベーション」、入居までの工程の短さを優先するなら「リノベーション済み物件」が向いていると整理できます。どちらの場合も、購入前に物件の構造上の制約を確認しておくことが欠かせません。
まとめ
- 中古住宅を購入してリノベーションする流れは、住みながらのリフォームと異なり、「物件探し」と「リノベーションの設計・プランニング」を並行して進める点が特徴
- 全体の流れは、資金計画→物件探し・会社相談(並行)→住宅ローン事前審査・実施設計(並行)→売買契約→決済・引き渡し→着工・工事→完成・引き渡し・入居という7ステップで整理できる
- 全体期間を示す公的統計はないが、工事期間は国土交通省の令和7年度調査で1週間以内が58.9%・1か月超が12.6%(三大都市圏n=579)。工事範囲で期間は大きく変わり、キッチン入れ替えのみ約1週間に対しLDK全体の大規模リフォームは約3.5か月(クリナップ公式の目安)
- 資金計画は、住宅ローンと一体で借りる方法(【フラット35】リノベなど)とリフォームローンの2系統があり、判断軸はリノベーションローンの選び方で解説している
工事費用そのものの目安を先に確認しておきたい方は、フルリノベーション(マンション)の費用相場・フルリノベーション(戸建て)の費用相場もあわせてご覧ください。住んでいる自宅のリフォームを検討している方は、リフォームの流れを7ステップで解説をご参照ください。
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よくある質問
中古住宅を購入してリノベーションする場合、何から始めればいいですか?
資金計画とあわせて、「物件探し」と「リノベーション会社への相談」を同時に始めるのがポイントです。物件が決まってからリノベーション会社を探し始めると、プランニングや見積もりに時間がかかり、住宅ローンの審査に間に合わず物件を逃してしまう可能性があります。先にリノベーション向きの物件の見極め方や資金計画の考え方を大まかにつかんでおくと、物件探しの段階でも判断がしやすくなります。
物件探しとリノベーションの設計は、どちらを先に進めるべきですか?
どちらか一方を終えてから次に進むのではなく、並行して進めるのが一般的です。物件を内見する段階でリノベーション会社に同席してもらったり、リノベーション前提で物件の制約(構造や管理規約など)を確認したりすることで、購入後に「思っていたリノベーションができなかった」というミスマッチを防ぎやすくなります。
物件探しから入居まで、どれくらいの期間がかかりますか?
物件探しから入居までの全体期間を一括で示す公的な統計は見当たりません。工事期間だけを見ると、国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」(三大都市圏・リフォーム実施世帯n=579)では1週間以内が58.9%、1か月を超えるものが12.6%でした。ただしこの分布には小規模な修繕も含まれるため、間取りまで変えるフルリノベーションにそのまま当てはめることはできません。メーカー公式の目安では、キッチンの入れ替えだけなら解体から引き渡しまで約1週間、LDK全体の大規模リフォームでは約3.5か月(クリナップ)とされており、工事範囲で大きく変わります。物件探し・ローン審査・設計の期間はこれに上乗せになるため、具体的なスケジュールはリノベーション会社に確認するのが確実です。
工事期間中は仮住まいが必要ですか?
中古住宅を購入してリノベーションする場合、物件の引き渡しから工事完了までは新居に住めないため、現在の住まいの家賃と住宅ローンの返済が重なる期間が生じ得ます。現在の住まいの退去日は、工事の完了予定日から逆算して余裕を持たせて設定するのが現実的です。仮住まいが必要かどうか、期間はどれくらいかは、工事の規模やスケジュールによって異なるため、契約前にリノベーション会社に確認しておきましょう。
「中古を買ってリノベーション」と「リノベーション済み物件を買う」はどう違いますか?
住宅金融支援機構の【フラット35】リノベの制度区分でいうと、自分で中古住宅を購入したあとに自らリフォームを行うのが「リフォーム一体タイプ」、住宅事業者がすでにリフォームを終えた中古住宅を購入するのが「買取再販タイプ」にあたります。前者は間取りや設備を自分の希望どおりに決められる一方、物件探しから完成まで工程が長くなります。後者はすぐに住める状態で購入でき工程は短くなりますが、間取りやデザインをすでに決まったものから選ぶことになります。
出典
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